あっせん申請

社会保険労務士ブログ

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2015年01月13日


お客様に対して、元社員様より労働局からあっせん開始の通知が届きました。

退職直後のこと、元社員様からお客様へ手紙が送られてきて、
お客様からご相談を受け、何度か手紙のやり取りが続いていました。
その回答に納得されなかったようで、あっせん申請に至りました。

紛争調整委員会によるあっせんは、紛争の当事者(労使)間で話し合い
解決(和解)を目指す制度ですが、参加が強制されるものではなく、
不参加でも構いません。
また、参加をしても、合意案に強制力がないため、納得ができなければ
不調に終わります。

制度上、あっせん申請は労使のどちらからも申し立てることができますが、
その性質から圧倒的に社員側からの申し立てが多く、合意案も社員側に
納得がいくものが多いようです。
これは、社員に有利な案が出されるという意味ではありません。
あっせんの合意案は「金銭解決」を目的としていますから、会社側は
「○○円までなら支払う」という意識で臨めば乖離しますし、ましてや
「1円たりとも払わない」と考えていれば不調に終わるのは明白です。

あっせんに応じれば、審理は1日(1回)で終わります。
あっせん委員が仲裁し、双方の意見を聞きます。
(双方が顔を合わせることはありません。)
あっせん委員が合意案を提示し、双方が合意すれば和解に至ります。
もちろん、清算条項を入れますから、その後裁判になることもありません。

一方、あっせんに応じなければ、社員側が労働審判や訴訟を提起する
可能性は捨て切れません。
リスクを負わず、早期和解のため、あっせんに応じる会社様もいらっしゃいますし、
裁判で白黒つける覚悟で、または裁判に移行する可能性は低いと見て
あっせんにも応じない会社様もいらっしゃいます。

今回は、会社様と相談の上、元社員様へは充分に説明済みであり、かつ
理不尽な要求であったため、あっせんには参加しないこととしました。

上記はあくまで一例で、判断基準や手段は個別事例により異なります。
あっせんの通知が届きましたらご相談ください。
もちろん労使間のトラブルはないに越したことはありません。


名古屋の社会保険労務士
情報バンク社労士事務所