通勤定期の現物支給

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2013年04月18日


会社が通勤定期を購入し従業員に渡すことがあります。

元々は会社がすべての面倒をみようとしたものなのでしょうが、これが問題となることもあります。通勤に要する費用も、労働の対価として会社から従業員に支払われるものなので、労働基準法上の賃金になります。

当然、賃金は、通貨払いの原則(労基法24条)の適用を受け、通貨で支給することを原則としています。ただし、法令または労働協約に別段の定めのある場合は、通貨以外のもの、いわゆる現物支給も可能となっています。

したがって、通勤費を定期券で渡す場合は、この例外規定に沿うこととなり、労働協約が必要となります。

労働協約とは「会社と労働組合」とが協定したものであり、「労働者の過半数を代表する者」との協定ではありません。つまり、組織化された労働組合のない会社では通勤定期を現物支給することはできないことになります。